「ハイレベルな会議」にビビった日。~high levelの正体とは~

雑記

「ハイレベルな会議」――この言葉に、かつてこれほどまでに身がすくんだことがあっただろうか。

 時はコロナ禍。人と人が顔を合わせることすら“罪”とされていたあの頃、私と課長は海外で開催予定だったある国際会議に参加予定でしたが、オンライン開催に変更したとの連絡を受け、初めてオンライン国際会議に参加することになりました。英語にまだまだ自身のない私達は、オンライン会議というだけでドキドキ♡です。

 英語で会議進行するというだけでも十分に緊張するのに、さらに追い打ちをかけたのが、事前に送られてきた議長からの挨拶メールでした。

そのメールの結びにこう書かれていたのです。

“Let’s make this a high-level meeting.”

「ハイレベル」って……まじか!?

「ハイレベルな会議にしましょう」

その一文を読んだ瞬間、私たちは背筋が凍るような感覚に包まれました。そして、課長と顔を見合わせて言いました。

「ま・・・・まじか

「……え? ハイレベル? って、 “高度な専門知識がバリバリ飛び交う会議” って意味ことだよね?理解できるかなぁ。。発言なんて無理の無理の無理だよねぇ。。。」

私たちは完全に尻込みしました。英語の会話を聞き取って理解するだけでも精一杯。自分の意見を英語で言えるようにと準備はしていましたが、「ハイレベルな会議」なんて言われた日には、もはや気持ちは崩壊寸前です。

このときの「high level」という表現が、まるで「そのくらい皆知ってて当然でしょう」と上からプレッシャーをかけられているように感じたのです。

まさかの意味に電車の中で絶句

そんな不安を抱えたまま、その日の仕事を終え、帰宅中の電車の中でふとスマートフォンを取り出しました。「high levelかぁ〜」と思いつつ、なんとなく「high level 意味」で検索をかけてみたのです。

すると、思わず声が出そうになりました。

high level meeting:おおまかな方針を話す、概要レベルの会議。

……えっ!?👀

私は思わずスマホを見つめたまま固まりました。

あの「ハイレベル」は、「めちゃくちゃ高度な、専門用語が飛び交う」って意味じゃなかったの!?

一人、電車の中で興奮気味に課長にLINEしました。「課長!聞いて下さい!high levelの意味〜〜〜!!!!」
課長も私もびっくり+ホッとした瞬間でした。

「high level」は「高度」だけじゃない

もちろん、”high level” には “高度な”、”レベルが高い” という意味もあります。でも、ビジネスの現場で “high-level meeting” という表現が出てきたとき、それは必ずしも「高い専門性」を指すとは限らないのです。

多くの場合、それは「詳細は詰めずに、方向性や大枠だけを確認する会議」のこと。つまり、「ざっくりした方針を共有する場」なんです。

いやはや、言葉って本当にややこしい。そして、先入観って怖い。

「high level」という英語を、私たちは日本語の「ハイレベル」と同じ意味だと思い込んでしまっていたんですね。

カタカナ英語の罠

今回のように、もともと英語だった言葉が日本語に入り込み、「カタカナ語」として定着してしまうと、本来の意味から少しずつズレてしまうことがあります。

「ハイレベル」「コンセンサス」「アグリー」「アジェンダ」……ビジネスの現場でよく聞くこれらの言葉も、英語としての意味と日本語での使われ方が違うことが少なくありません。

例えば:

  • コンセンサス:英語では consensus は「完全一致」ではなく「大まかな合意」
  • アグリー:agree は「同意する」であり、「私はアグリーです」は和製英語

こうしたズレに気づかずにいると、誤解を招いたり、相手の意図を取り違えてしまったりします。逆に、そうした違いを知っていると、コミュニケーションがぐっとスムーズになるのです。

辞書を引く楽しさ、再発見

今回の「high level」に限らず、「これって本当にこの意味?」と感じたら、辞書を引いてみるのはとてもおすすめです。

紙の辞書でも、アプリでも、ウェブでもOK。英和辞典だけでなく、英英辞典を見ると、ニュアンスの違いがより鮮明にわかります。

辞書で新しい意味や用例を発見したときの「あっ、そうだったのか!」という感動は、英語学習を続けるモチベーションにもなります。

おわりに:言葉の奥深さを楽しもう

「英語が話せるようになりたいけど、何から始めたらいいかわからない」

そんな方には、今回のように「一つの単語を深掘りしてみる」ことから始めるのもおすすめです。難しいことを完璧に理解する必要はありません。「あれ?これって本当にこの意味?」と思ったら、ちょっと調べてみる。その小さな積み重ねが、語彙力や理解力の向上につながります。

そして、今回の結論。

high level は「高度」なこともあるけど、ビジネスでは「ざっくりした」って意味でも使われる!

私たちの不安をよそに、当日のオンライン会議はとても穏やかで、終始「概要の確認」と「今後の方向性」を確認する内容でした。

「ハイレベル」という言葉にビビっていた私と課長は、会議後に笑ってこう言いました。

「……あれなら、うちらでも参加できるレベルだったね!」

皆さんも、カタカナ英語にはどうぞご注意を。そして、一緒に言葉の奥深さを楽しみながら、英語を学んでいきましょう!

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